富士山続報

  • 2013-9-13
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この記事は、公式メルマガ 2013年9月13日号を、大幅に加筆・修正したものです。

こんばんは、吉永賢一です。

昨日も、富士山行ってました(笑)

山頂で収録した「今夜も真っ裸 第101夜」

前回(と言っても先週ですが・・・)に行った時にも、
真っ裸の吉田さんを誘ったのですが、

「え、明日ですか?」

という感じで断られてしまいました。

そもそも、ぼく自身、前日に決めたことなので
(「アポの間隔が空いてる!」→「富士山!」
→「バスツアーが、インターネットは締め切ってるけど、
電話受付はやってるっぽい!」みたいな連想)

事前に連絡することは、できなかったのですが。

先週富士山に行ったときの記事は、こちら

で、富士山は一緒に行けなかったわけですが、
せっかくだから会いましょうということで
一緒にお食事をしていたときに、

吉永:頂上に行こうと思ったのに、
雷がすごくて、行けなかったんですよね。
バスツアーも、もう終わっちゃったし・・・
来年、再チャレンジしようと思ってます。

吉田さん:車、出しますよ

吉永:え、ほんとですか?

ということで、ふたりしてスマホをいじって
予定を確認し、

「日帰りだったらイケル!」

という結論に。

で、行ってきました。

東京を、夜中に出て、
富士山の5合目に朝に着くというスタイル。

富士山の5合目に着く直前に車中から撮ったおもしろいかたちの雲。ほんのちょっと前は、もう少し赤かったです。

富士山の5合目に着く直前に車中から撮ったおもしろいかたちの雲。
ほんのちょっと前は、もう少し赤かったです。



今回は、前回の教訓を活かし、

・防水手袋を購入
・防水帽子を購入
・酸素缶大量持参、食べる酸素も持参
・塩サプリも持参(水だけだと脱水気味になるし、トイレも近くなるので。
スポーツドリンクは、ぼくは飲むと気持ち悪くなるのです)

などなどの「改善」も実践。

5合目から下を見た景色

5合目から下を見た景色

5合目から見上げた富士山

5合目から見上げた富士山

5合目の駐車場で準備中

5合目の駐車場で準備中

5合目から泉ヶ滝に向かう下り坂

5合目から泉ヶ滝に向かう下り坂


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五合五勺砂ふるい。この頃は、まだ元気

五合五勺砂ふるい。この頃は、まだ元気

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だったのですが・・・

今回(も)8号目あたりから、
高山病の症状が出てきて、
ぼくの歩みは、やたらゆっくりになったわけです。

高山病の症状が出るとどうなるかというと、

・気持ち悪い(ゲロ吐きそう)
・頭痛い(ガンガン)

ぼくの場合は、とにかくこの2つが出ます。

で、深呼吸をしたり、酸素缶を吸ったりする。

しゃがみこんで休む。

ゆったりゆったり進む。

こんなことをしているわけです。

そうしたら、9合目を超えたあたりで、
先行した吉田さんが、上から降りてきて出会いました。

吉田さんは、もう頂上に行ってきたそうです。

「吉永さん、風がすごく強いがどうします?」

要は、アボート(途中で止める)の勧めなわけで、

たぶん、ぼくはひとりだったら、もっと登ったと思います。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

頭はガンガンしても、たぶん死なないと思ったので。

ただ、この種の肉体的限界っていうのは、
本人が「大丈夫」って思っていてもダメな場合もありますから、
もちろんリスクはあります。

なのですが、吉田さんのストップを乗り切って
登って死んだら、なんかそれはイヤなので、
アボートすることにしました。

その場合、吉田さんに

「もっと強く制止すれば良かった」

っていう思いが出ることは自明だから。

探検家が死ぬ時って、
単独で行ったりしている場合が多いのですが、
似たような思考なのかな、とちょっと思ったりもしつつ。

まわりに止める人がいなければ、
(自分の能力を過信しているから)
たぶん行っちゃうようなところがある人たちだろうから。

事業家も、新規事業で大コケするときとか
ありますからね。

リスク管理が大切な所以です。

(なのですが、勝負するときには、
ギリギリのリスクを取る必要があることは変わらないです。
ただし、生き方として、「そもそも勝負は避ける」という方針も
あります。
ただ、大きな成長のためには、
[金銭的リスクだけでなく]各種のリスクも取る必要があると思います。
ですけれども、その前の段階として、
「かなり安全に管理されたリスク」の範囲内で、少しずつ進むことのできるスキルが
先行すると考えます。
そうでなければ、「負ける可能性が高すぎる勝負」に入ることになります。)

で、吉田さんが

「頂上は、こんな感じですよ」

とスマホでビデオを見せてくれました。

この行為には、

「この間一緒に行かなかったことの仕返しも
機能しているのかな」

と思ったりしましたが、この種の感じ方は、
ぼくのような人(人間の無意識のはたらきに関心がある人)特有の解釈なので、
真実なのかもわからないわけですから、
そう思っただけで、特に口には出さず。

(これ以外の複数の解釈も、
その場では考えついてます。)

それで、下山をはじめました。

頂上付近から降りてゆくと、
一番先に出会うのが、

「御来光館」

というお宿です。

もちろん、ぼくは事前に調べていませんので、
上の方まで行って、降りてきて、
一番先に出会ったお宿というだけなのです。

聞いてみると、今日は飛び入りでも
まだ泊まれるとのこと。

吉田さんは、後輩の車を借りてきたそうなので、
後輩さんに電話で、明日も車が大丈夫かを問い合わせてくれました。

ぼくは翌日予定があったのですが、

「深夜に起きて頂上に行って、ご来光を見て
すぐに下山すれば間に合う」

ということで、泊まることに。

気持ち悪くて、すぐにトイレに行きたかったのですが、
気持ち悪すぎてトイレに行くのが大変だったので、

とりあえず、ベッドに寝転がって休みました。

(旅館に下山するときにも、「とにかく旅館までは歩こう」という感じで
自分を元気づけて、一歩一歩進む感じでした。)

この時点で、午後6時くらいだったと思います。

前回止まった山小屋は寝袋でしたが、
ここは、いわゆる「せんべい布団」です。

日帰り予定で、着替えも持っていかなかったですし、
レインウェアを来たままで
寝転がってました。

そして、吉田さんに聞きました。

登山中、吉田さんが「呼吸法」に言及していたので、
それについて聞こうと思ったのです。

(「うまく行っている人」に方法を聞く)

酸素缶の吸入で多少回復する以上、
ぼくの症状は酸素不足が関係しているはずだから。

吉田さんによると、

「息を吸って丹田にためる。もっと下で
膀胱に入れるくらいの感じでいい」

こう聞いたぼくは、

「こんな感じですか?」 と
さっそくやってみて、
少し見てもらったのですが、

そこは暗かったし、たぶんよくわからないと思ったので、
言語で確認することにして、

「息を吸う時って、筋肉を意識的に使って
吸うんですよね?」

「結構強く吸うんですか?」

「吸う時に、お腹を膨らませるんですか?」

などの確認をしました。

そして、

少し休んでトイレに行こうと思いましたが、
回復しないので、そのまま寝てしまいました。

で、午後10時半くらいに、
目が覚めました。

かなり気持ち悪い。

トイレに行こうと思って、

(このメルマガを書くにあたり、
お宿の名前を確認しようと思って「来光館」と検索したら、
「御来光館」のページが出てきて、

それによると、このトイレは、

日本一標高が高いところにある水洗トイレ

だそうです)

酸素缶をポケットに入れ、
梯子を下りて(2段ベットの2階だったから)
トイレに向かいました。

もう外は暗かったのですが、
お宿の人に聞くと、外のトイレも使えるとのことです。

で、あまり混んでいないことを確認して、
個室に入り、酸素缶を吸いながら、
時間をかけて用を足しながら、
回復しようと思いました。

(酸素缶を吸うと音が出るので、
みんなで寝ている場所で
静かな時に吸うのは迷惑でもあると思い。)

酸素缶を吸っていると、
上にも書いた

・気持ち悪い
・頭ガンガンする

が、かなりヒドいことが感じられます。

これまでの生涯で一番ヒドい。

「これは、明日の朝、
『すみません・・・』って言って、
そのまま下山した方がいいかな」

と何度も思いました。

でも、もしかしたら、回復するかもしれない。

最近は運動不足だけど、
もともと、かなり走り込んでいたじゃないか。

などと、あまり論理的ではないのですが、
感情の通路から、自分を元気づけたりして、
行動力を出して、酸素缶の吸入をもう少しやりました。

10リットル吸い終わって、

「これでダメなら、あきらめよう・・・」

とトイレを出て、

そして、外から宿に帰るときに、
ちょっと雨は降っていたのですが、
何度か大きく深呼吸をしました。

吉田さんに教わった呼吸法を意識しながら。

そして、布団に戻り、寝たのです。

寝る前には、ちょっとあぐらを組んだりして、
あまり音を立てないように気を付けながら、
深呼吸をしました。

あぐらを組んだのは、
布団に入ると、すぐ寝てしまうと思ったからです。

そして、寝てしまうと呼吸が浅くなるからです。

あぐらを組んでしばらく深呼吸をし、
さすがに眠くなってきたので、
布団に入り、深呼吸を続け、
そんなことをしているうちに、寝付きました。

午前2時半頃、みんなが起き始めます。

ぼくも、その物音で目覚めました。

(寝転がっていると状態がよくわからないので)
上半身を起こしてみると、
さっき(トイレに行ったとき)よりも
頭痛が軽くなっています。

それでも、昨晩を除けば、

「生涯最高(の頭痛)」

というレベルなのですが、

「イケル!」

と思いました。

なぜなら、多少なりとも回復していたからです。

もちろん、感覚が鈍っていて
「回復した」と誤認している可能性もあります。

でも、ちょっと動いてみても、
なんか大丈夫そう。

吉田さんも、ちょっと頭痛がするようで、

・寝ている時間は呼吸が浅い
(歩いている間は、意識して呼吸をしていた)

・たくさんの人が同じ部屋に一緒に寝ているので、
それによっても酸素濃度が下がる

ことを指摘していました。

ベッドの上で、再度、吉田さんに呼吸法を教わりました。

吉田さんは、空手やダンスをやっていた(やっている)ので、
呼吸について、いろいろ意識していたそうなのです。

で、出発。

吉田さんに教わった呼吸法を使いながら歩くと、
確かに違います。

「新しいノウハウを得た感じ」

を味わいつつ、歩いて行くと、
途中で連想が起こりました。

「これ(この吸う感じ)は、
走るときの感じに似てる!」

と言うのも、ぼくは小さいころから高校生の間まで
かなり走り込んでいて、走るときの呼吸法っていうのは、
ずっと練習して来たからです。

そこで試しに、走るときの呼吸法で
やってみました。

「吸う、吸う、吐く、吐く」の「2・2」です。

吸うが強くて、吐くが弱いスタートです。

しばらくすると、息が切れてきて、
「吐く」を強くできるようになりました。

こうなってくると、

「吐く、吐く、吸う、吸う」の「2・2」のリズムで、
「吐く」のも強い感じです。

身体は、ゆっくり歩いているのに、
呼吸は、かなり真剣に走っているときの呼吸法。

でも、ちょうどいい感じがしました。

呼吸法自体は、身体が覚えていますが、
それと「歩く」ことが連想付いていなかったわけです。

しばらく意識的にやっていると、この

「歩きながら、走る時の呼吸を行う」

ことへの習慣化がはじまって、多少無意識的でも(意識を緩めても)
この呼吸法の呼吸が続くようになりました。

歩いているのに、「吐く吐く、吸う吸う」とやることは、
かなり違和感があるのですが、
それが「ちょうどいい感じ」なのですから
仕方がありません。

でも、あまり意識を緩めると、
ふつうの(日常生活の)呼吸法に戻ってしまうので、
そうなったら、また意識して。

こんな感じで続けているうちに、
頂上までつきました。

昨日も、前回行ったときも、
高山病っぽくてフラフラだったのに、
今日は、比較的ラクに頂上まで来ることができました。

おそらく、要因は、呼吸法です。

そして、その呼吸法は、長年練習してきたものでした。

それなのに、吉田さんに呼吸法を教わるまでは、
それを思いつくことができず、
ぼくにできたことは、酸素缶を吸入することと、
酸素缶を多めに持参することです。

これは、ぼくが「教え方」を伝えるときに言っている、

「本人の中では『つながって』いないことを
『つなげて』あげる」

「新しいことを教える前に、
それまで知っていることを整理してあげたり、
少し新たな解釈を入れてあげるだけで
改善することがほとんど」

という話に関連することで、
自らの経験を通じ、さらに理解と確信が深まったと思います。

下山には、思ったよりも時間がかかり、
当日のアポは変更していただいたのですが、
これも、ぼくのライフスタイルを変えることにつながりました。

ぼくは、もともと「フリープラン」というスケジューリング法を
導入中で、その過程の中で、家庭教師を減らし、
アポも減らしています。

この日のアポは、ぼくとしては「固い」アポだったので、
基本的には変更しないものなのですが、
ご好意により、変更していただけました。

今のところ、ぼくは、アポをキャンセルしたり、
時間変更をすると、(それが「軽い」ものでも)
かなり心苦しいです。

その度に、

「約束は、するものではない」

というお釈迦様の教えを思い出したりします。

キャンセルっていうのは、人間関係に影響を与えるもので、

・その後の関係がなくなったり

する場合もあるし、相性が良ければ、続く場合もあります。

ぼくみたいなキャラの人は、
アポは入れるもんじゃないと思います。

それでも、今のところ、
アポを入れる必要があるときもあるわけなので、
とにかく最小限度に近づけねばならない、と
気持ちを新たにしました。

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